JTB時刻表 2008年2月号
カラーグラビア 人気連載 「駅弁細見」
三重県松阪市
*松阪駅*
松阪牛で知られる松阪は、三重県の中部、伊勢湾に面しており、江戸時代の偉大な国学者、本居宣長や、のちの三越、越後屋を江戸に開店した三井家など江戸期の豪商、伊勢商人ゆかりの商業の町。ここに「元祖特撰 牛肉弁当」が誕生したのは昭和34年。以来50年、変らぬ味を頑固に守り続ける伊勢路の名物駅弁。
■元祖特撰 牛肉弁当
1260円
ミニステーキ風にカットした肉は、脂分の少ないモモの赤身肉を使う。塩・コショウをしないで、肉の臭みをとるために、醤油と合わせた赤ワインにくぐらせてから、オーブンで約2〜3分焼く。
塩・コショウをしないのは、肉が硬くなるのを防ぐため。焼き上がった肉は、湯気のあがっているうちに、醤油、砂糖、みりんとショウガで調製したタレで味付けの仕上げをする。
ご飯は、三重県産ミエライスの白いご飯。季節で水加減を調節。といで一晩おいてから炊き上げる。牛肉をご飯にのせない弁当作りを一貫して守っている。
種類豊富なおかずが
肉の味を引き立てる
箸休めは、地元亀井商店のかまぼこやゴボウとコンニャクの煮物、酢バス、フライドポテト、昆布の佃煮、桜漬けなど。肉の味を引き立てる。
■売店
駅コンコースのJR改札横、駅前本店、ドライブインあら竹(紀勢自動車道大宮大台インター下車1分)の3カ所。ほか、JR特急「(ワイドビュー)南紀」列車内でJR東海パッセンジャーのスタッフに注文。
■松阪牛物語 3150円
松阪牛の霜降りすき焼き肉を、ほかほかで味わう加熱式の駅弁。当日仕入れの肥育農家の詳細を記した証明書付き。平成19年10月新発売の、本場松阪ならではの味。要予約。
取材協力:新竹商店 TEL 0598-21-4350 FAX 0598-21-5758
文・写真:塩入志津子(ソルト) DTP組版:OMU